日本ツアーに先駆けて1月最終週に開幕した米女子ツアー。バハマでの開幕戦に続く第2戦は豪州・アデレードへ。日本からは米ツアーを主戦場にしている畑岡奈紗(19)はじめ野村敏京(25)、横峯さくら(32)、上原彩子(34)に加え、渡辺彩香(24)、17歳のアマチュア、吉田優利(千葉・麗沢高)、山口すず夏(東京・共立女二高)ら7人が挑戦しました。寒さの続く日本を飛び出して真夏の豪州で早々と戦う選手の今季にかける思いが伝わってきますが、米ツアー2年目、19歳の畑岡奈紗は予選落ちしたバハマの雪辱を期しましたが通算4アンダーで16位タイ。同じくバハマから転戦した野村敏京は40位タイ、自身開幕戦の横峯さくらは71位と振るいませんでした。(上原彩子と渡辺彩香は予選落ち)。優勝は通算14アンダーで22歳の高真栄(コ・ジニョン=韓)。ツアー1年目で通算2勝目。
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注目が集まったのは米ツアー2年目を迎えた畑岡奈紗でした。米ツアー1年目の昨季は出場19戦で予選通過は6試合だけ。最高15位、賞金ランクは136位でシード権を失いながら、秋に帰国後は日本女子オープンに2連覇するなど2勝。今季の米出場権を争う最終予選会(12月、フロリダ)はトップで通過。2年連続で米ツアーの出場権を手にしたたくましい若者です。2年目にかける思いは強く「去年は苦しかったけど、その経験は生かさないといけない。気持ちの部分でも少しずつ強くなっていると思う。今年は1回回ってコースも分かっているので自分でも楽しみ」と語る奈紗です。
意気込んで乗り込んだ1月下旬のピュアシルク・バハマ・クラシックでは、強風で試合が順延になるほど強い風にさらされ、奈紗は2Rを7オーバーであえなく予選落ち。3週間後の2月15日からのISPSハンダ女子豪州オープン(アデレード・ク―ヨンガGC)で再スタートを切った畑岡です。初日はパープレーでスタート。2日目67のベストスコアを出して首位と5打差の5位に浮上した奈紗は、一躍注視を浴びましたが、3日目、最終日にスコアを伸ばせませんでした。特に最終日、ティーショットが不安定のままで、10番では左の林に曲げてダブルボギーをたたくなど、残念ながら優勝争いにからめません。4日間のフェアウェイキープ率は55%。荒れたティーショットで80人中78位というアベレージを残してしまいました。
今季は、最終予選会からコンビを組んでいるデイナ・ドリュ-氏をキャディーに起用。気分一新も図っています。大山志保のキャディーを長年務めた日本通でもあり「クラブ選択に迷ったときなど、いいアドバイスをしてくれる」(奈紗)と信頼を寄せている相棒です。
★畑岡奈紗の最終日コメント
「イメージよくスタートできたのに、途中から練習場でできたことが出来なくなって悔しかった。ティーショットがどうしてもうまくいかない。きのうは両方に曲がり、きょうは右へいくのが多かった。ちょっとしたタイミングだと思うんですけど。でも残り4ホールは凄くいいプレーができたので、一度日本に帰ってリセットして米ツアーに戻りたい。きょうはオーストラリアNO1のミンジ―・リーとプレ-できて、すごく勉強になりました。ムリをしていくより、勝負はグリーン上で決まってくるのかな、と思いました。自分に足りないところだと思います。日本でもう一度いい感覚をつかんで、次のアリゾナ(3月15~18日、バンク・オブ・ホープファウンダーズ・カップ)に入れればいいかなと思います。国内はダイキン(開幕戦)とサロンパス(5月3日~6日)に出る予定です」
期待の畑岡奈紗は、ちょっぴり厳しい今季のスタートを切りましたが、まだまだ先は長い米ツアー(計34試合)です。プロに転向したとき、「2年以内に米ツアーで優勝したい」との目標を明言した奈紗です。今回の開幕第2戦のデータでは、平均飛距離は268.3ヤードで4位につけています。158㌢と小柄な体ながら飛距離では大きな遅れはとっていません。平均パット数でも15位(29.5)とまずまずの位置をキープしています。問題はやはりフェアウェイ・ヒット部門で78位と大きな遅れをとっていたことです。シーズン当初でたまたまドライバーの調子が上がらなかったともいえますが、先ずはフェアウェイを捉えることが、今季の奈紗の大きな課題といえるでしょう。
次戦は3月1日、再び沖縄での国内開幕戦「ダイキン・オーキッド」で奈紗は日本ツアーにお目見えします。国内では強い奈紗の仕上がり具合を、しかと見届けることにしましょう。
(了)
次戦は3月1日からの日本ツアー開幕戦(沖縄)。