″ひん死〝のゴルフ界を救えるかISPS・半田晴久会長の手腕!「コロナに喝!」と、9大会を新規導入!

ISPSのゴルフ界支援イベント「HANDA 医療従事者応援 ジャンボ尾崎記念チャリティトーナメント」の表彰式。挨拶するISPS半田晴久会長(中央)
アンバサダー尾崎将司(左)、優勝した谷原秀人(右)=千葉・GOLF5カントリー・オークビレッジ

新型コロナ禍に蹂躙(じゅうりん)されているゴルフ界を救おうと、ISPS(国際スポーツ振興協会・会長=半田晴久)が次々と打つ手が脚光を浴びています。この夏、シニアツアー新規2大会を朝霧と赤城で主催。女子のチャリティ―大会を伊豆大仁で開催したのに続き、 9月14、15日には「ISPS HANDA 医療従事者応援ジャンボ尾崎記念チャリティ・トーナメント」を千葉で開催しました。加えて第2弾として、この秋にはツアー外ながら「JGTO支援競技」など3大会。下部ツアーの「Abema TVツアー」1試合。このオフには男、女レギュラー、シニアの各部門から各40人ずつを集めた「ゴールデン・ミックストーナメント」の開催を検討中。半田晴久会長と日本ゴルフツアー機構(JGTO=青木功会長)とは、友好関係にヒビが入っていてISPSは18年を最後に男子トーナメントから撤退していましたが、このほどその確執も解け、ISPSは再び男子ツアーのスポンサーに復帰する運びだという。今季とオフにかけてシニアツアーをはじめとした計9試合の新規大会を導入。コロナ禍で苦しむゴルフ界や選手たちに「チャンスを与えたい」(半田晴久会長)としています。

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9月14、15日の2日間、千葉・GOLF5カントリー・オークビレッジは異様な盛り上がりで活気を呈しました。「ISPS HANDA 医療従事者応援ジャンボ尾崎記念チャリティ―・トーナメント」が開催されたのです。ISPSとアンバサダー契約をしている尾崎将司はじめ谷原秀人、片山晋呉、宮本勝昌、比嘉一貴、堀川未来夢(みくむ)、市原弘大、横田真一らのトッププロ。ジャンボ尾崎ゴルフ・アカデミーのアマ選手10人らもプロに交じって参加。ジャンボは持病の背筋痛が思わしくなくプレーは欠場しましたが、大会中会場に留まって各選手のプレーを見守りました。最終日に8アンダーのチャージを見せた谷原秀人(ISPS所属)が通算10アンダーで逆転優勝を遂げ、優勝賞金600万円を手にしました。18、19年と欧州ツアーを主戦場にして戦ってきた谷原ですが、半田会長からは「ゴルフも人柄も兼ね備えた数少ない選手。日本に戻り再スタートしてほしい」と、励ましの言葉をかけられていました。

「ジャンボ尾崎記念チャリティ―」で逆転優勝した谷原秀人。(千葉・オークビレッジ)

2日間とも有観客で入場無料。2日間で約3000人のファンが集まりました。コロナ感染予防対策もしっかりと施され、会場では先着1000人に弁当支給。カレー、焼きそば、流しそうめんなどは食べ放題。とうもろこしやスイカも出店に用意されるサービスのほか、クラブハウス前に作った特設ビニールプールにはタイ、カンパチ、ヒラメ、伊勢えび、シマアジ、カワハギ、イサキ、うなぎなど高級魚を泳がせて釣り堀がしつらえました。谷原プロはホールアウト後に釣り糸を垂らし、″うなぎ3匹〝を吊り上げていたとかですが、至れり尽くせりのサービスには足を運んだギャラリーは楽しいゴルフ観戦になりました。

新型コロナウイルスの感染拡大によりゴルフツアーは大打撃を受けました。大会の延期や中止が相次ぎ、プロゴルファーは賞金を稼ぐ機会をなくし、アマチュアは腕を磨く場を失いました。今週はもう10月に入るというのに男子国内ツアーは1試合行われただけ。女子ツアーはなんとか6試合を消化したのが現状です。今回、ISPSジャンボ尾崎記念は109人の参加選手で予選落ちはなし。ドラコン、ニアピン、イーグル賞など数多くの表彰部門を設けて全選手に賞金や賞品がいき渡るよう配慮されました。
「長引くコロナ禍でみんなストレスが溜まっている。ISPSの主催試合では楽しい思いをしてもらい、そして進化してくれればいい。試合のない選手たちにチャンスを与えたいのです」(半田晴久会長)。この夏ISPSが主催したシニアツアーやツアー外の大会ではどの試合もこのポリシーのもとに行われました。

ISPSが7月に発表した第1弾夏の陣は終わりましたが、半田会長の思いはまだまだ終わりません。秋の陣。まず10月5、6日には今回のジャンボ尾崎記念と同じゴルフ5カントリー・オークビレッジで『木漏れび枠』大会を予定しています。賞金総額500万円(優勝100万円)。ジャンボ尾崎記念チャリティ―に応募しながら枠から外れた約60人が対象になります。最下位でも5万円が支給されます。

次は『低体温トーナメント』です。赤城GCでの「プロゴルファー誕生100周年記念ISPSシニア」(8月21~23日)のマンデー枠と本戦で予選落ちした選手、約60人が対象になる試合です。会場は千葉・鶴舞CC。賞金総額500万円(優勝50万円)。

下部ツアーにも新規で1試合が導入されます。「Abema TVツアー」で10月14~16日、茨城・ロックヒルGC。賞金総額2000万円。

ISPS恒例の優勝かぶとをかぶった谷原秀人(中)。左・半田晴久会長、右・アンバサダーの尾崎将司(千葉・オークビレッジ)

さらに日本ゴルフツアー機構(JGTO)との共催でチャリティ―・トーナメント『JGTO支援競技(ツアー外競技)』が検討され、会場は福島・五浦庭園GCに内定。期日は10月29~31日と決まっています。賞金総額は5300万円(優勝300万円)、予選落ち者にも一律6万円が支給されます。
ISPSはレギュラーツアーで2015~16年に「ISPSハンダグローバル・カップ」。2017~18年に「ISPSハンダ・マッチプレー」を主催していますが、半田会長の不信感を買ういくつかの問題が起き、19年以降は大会が中止になっていました。しかし、そのトラブルも半田会長によれば「JGTO側から謝罪があったので解決した。選手のためとゴルフ界のためにもISPSはスポンサーに復帰します」との明言がありました。この秋、ISPSがスポンサーに復帰。ツアー外競技ではありますが、JGTOと共催のトーナメントが復活する公算が大きくなりました。注目の大会となりそうです。

このほかシーズンオフには男子、女子レギュラー、シニアの各部門からそれぞれ40人ずつを集めた「ゴールデン・ミックストーナメント」(仮称)も予定されています。すでに実績のあるオフのイベント「3ツアーズ」を思わせる大会です。
ISPS半田会長のコロナ感染拡大で苦境に立たされているゴルフ界支援の思いは真剣です。この夏以来オフまで、大小併せて9大会もの新規試合を投入する構想は驚くべきものがあります。その資金も半端ではないでしょう。いつまで続くか先の見えないコロナ騒動。ゴルフ界の大ピンチ、ISPSが救えるでしょうか。
(了)