シーズンオフ真っ最中の日本ゴルフツアーをよそに、今週ハワイで行われる米ツアー新年第2戦に今年も日本勢7人が挑戦します。 毎年多くの日本選手が出場する馴染みのある大会「ソニーオープン・イン・ハワイ2023」(1月12日~15日)。 開催コースは、定着して行われているオアフ島のワイアラエCC(パー70)。 以前は「ハワイアン・オープン」の大会名で青木功が83年に優勝、昨年22年は松山英樹がプレーオフに持ち込んでのイーグル大逆転劇が見事でした。 今年は世界ランキング国内最上位&日本ツアー賞金王として出場権を得た比嘉一貴(27)を筆頭に、大西魁斗、桂川有人、蝉川泰果、中島啓太と、昨年の「日本アマ」覇者で日本アマランク1位の岡田晃平(20=東北福祉大3年)が招待選手として加わる若手陣。 ディフェンディング松山英樹を先頭に魅力ある日本勢がハワイに集結しました。 賞金総額:190万ドル(約10億6650万円)。 優勝賞金:142万2000ドル(1億9197万円)のビッグイベントです。
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毎年日本人選手の出場が多い1月のハワイです。 前週は昨季の米ツアー優勝者とフェデックス・ポイント上位者ら限定された選手のみの大会がハワイ・マウイ島で行われましたが、ソニー・オープンからはいつもの米ツアーのフィールドに戻ります。 松山英樹の連覇が成るか。 現在、国内NO1選手となった比嘉一貴のゴルフは? と見どころは多いですが、中でも蝉川泰果(22=東北福祉大4年)、中島啓太(22=日体大4年)の参加は楽しみです。
中島は昨年、世界アマランク1位としてこの大会に初出場。 予選は通過して41位(通算10アンダー)。 松山英樹の逆転劇を目のあたりにして大きな刺激を受けた体験があります。 今年はプロとなってワイアラエは2度目の挑戦。 コースも分かっただけに期待がかかります。
中島と同学年の蝉川泰果は初登場。 昨年の「日本オープン」をアマで制してプロ転向した“同期生”同士の米ツアーチャレンジです。 かなりの飛距離を持つ中島を、さらに凌ぐ蝉川のロングドライブ。 石川遼をして「飛ばして曲がらない男」といわしめた300ヤード超の持ち主です。 飛距離では米ツアー選手にも遅れをとらないと思われる蝉川の精度の高いゴルフが、ハワイの風と特有のグリーンをどこまでコントロールできるか。 蝉川はソニーに出た後、カリフォルニアに飛んで「アメリカンエクスプレス(PGAウエスト ピート・ダイ コース)とファーマーズ・インシュランス オープン(トリー・パインンズGCサウス)に出場予定で、1月中は米国に滞在、3週続けて米ツアー挑戦で今季のスタートを切ります。 多忙な年末年始で練習量は十分でないそうですが、若い力でいきなりの爆発に期待がかかります。
ともに昨季ツアー初優勝して国内ツアーを盛り上げたのが、桂川有人と大西魁斗の24歳コンビ。 桂川は年間トータルドライビング賞とパーオン率賞をとり、最優秀新人賞にも輝きブレークしました。 安定したゴルフをするので、ハワイでも発揮できれば面白い存在になりそう。
海外育ちの大西。 ジュニア時代は米IMGゴルフアカデミーで鍛えられ、南カリフォルニア大ではオールアメリカン(米国選抜)にも選出された精鋭です。 持ち前の攻めのゴルフでハワイの海風に挑みます。 また、国内アマチュア最強の岡田晃平の若さ溢れるゴルフも未知数ながら興味深々。 日本ツアーからのリーダー格は、ハワイは2度目の挑戦、賞金王の比嘉一貴です。 海外メジャー「マスターズ」(4月)への初出場(特別招待選手)がマスターズ委員会から5日に発表されたばかり。 その朗報を抱え「ハワイは20年のときは思うような結果を出せなかったが、今年は日本の賞金王として、強い比嘉一貴をお見せしたい」と、強い意欲をみせています。
見どころの多い今年のソニー・オープンの日本勢。青木功、松山英樹のレジェンドがうちたてた“ハワイの快挙”を再現してほしいもの。今季の国内ツアーを占う指標にもなりそうです。
NHK衛星が米ツアーの中継を終了した今年、代わって「BS:Japanext」(BS263ch)が3日目、最終日をTV放送します。(他にゴルフネットワークやインターネットによるライブ配信も予定あり)。 楽しみなシーズン幕開けになりそうです。
(了)