森田理香子(34)、女子ツアー開幕戦に6年ぶり復帰! いろいろあった人生経験乗り越える奇跡のカムバック、成るか?

スマイル!笑顔が可愛い森田理香子。

「美人過ぎる女子プロゴルファー」といわれ、23歳の2013年には賞金女王に登りつめトッププレーヤーだった森田理香子(34)。18年のシーズンを最後に“イップス”に陥って突然「休養」を宣言。事実上の“引退”とも報じられて表舞台に姿を見せなかった彼女が、10日後に迫った今季開幕戦「ダイキンオーキッド・レディス」(沖縄・琉球GC、2月29日開幕)で復活出場すると発表されました。18年6月に第一線を退いてから、5年8ヵ月ぶりのツアー復帰。産休や故障などを除き、長期休養からのカムバックの前例はなし。依然、美貌を蓄えての元女王の再登場に早くも女子プロ界の話題をさらっています。ツアー5勝以上の選手には特別登録者として、年間8試合までの主催者推薦出場が認めらえており、森田は開幕戦のあと翌週の「明治安田レデイィス・ヨコハマタイヤ」(高知・土佐CC)と「ヤマハレディス葛城」(静岡・葛城GC、3月28日開幕)の3試合にエントリーしています。

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女子プロの中では1、2を争った飛ばし屋だった森田理香子。6年ぶりの戦列復帰でどんなゴルフをみせるか?!

約6年ぶりのツアー参戦。元女王の現場復帰宣言は衝撃的でしたが、大会事務局からの正式発表を受けて森田からもコメントが発出されました。「6年ぶりのツアーで自分でもどうなるか分からないです。引退とはいっておらず、ただ休みが欲しかったのです。その間、長い月日がたち、いろいろな経験もしました。ゴルフ場の緑が恋しくなってこのオフは毎日練習も始めてラウンドも週に1、2度はやるようにしています。ツアーに戻って挑戦するのはどんなに厳しい世界であることかは一番分かっていますし、自分には全く期待はしていません。いまできる範囲で一生懸命やって、ファンの方や自分の周りの人たちのためにも頑張ることもいいなと思っているのがいまの心境です」ー。

とりあえず主催者推薦で8試合までは出場可能ですが「今秋のQT(出場予選会)は受けるつもりです。やっぱりやるからにはランキングは欲しいですから」と、ツアープレーヤーとしての本格復活を目指す強い意欲さえをみせているいまの森田です。
京都市出身。8歳でゴルフを始め、京都学園(現京都先端科学大付属)卒。08年のプロテストに一発合格。飛ばし屋で鳴らし、10年ツアー初優勝。13年に4勝して賞金女王。ツアー通算7勝。獲得賞金4億2141万439円。一流選手の仲間入りした理香子が、28歳の若さで何故ツアーから撤退したのか。

一説によれば、賞金女王になった翌年の14年ごろ14歳年上のスポーツトレーナーとの交際が取り沙汰され、当時写真週刊誌等で報道されて物議をかもしました。14年の通算7勝目を最後に極度の不振に陥り、16年にはイップス(スムーズにできていた動作が緊張などによって思い通りにできなくなる運動障害)に見舞われ、ショートアプローチなどに自信をなくす事態となりました。精神的な要因が大きかったのではともささやかれました。その後、同じ関西出身の格闘家との熱愛報道もスクープされ、こうした森田の異性関係の“もつれ”がゴルフの不振にも影響を及ぼしたとされます。16年にシードを落としてから約3年の成績不振で、森田のメンタル面はズタズタになったとも。18年シーズン途中、限界に達した森田はついに“休養宣言”。師匠である岡本綾子プロにも「休養通知」を手紙で報告したとされ、2人の関係もギクシャクして距離を置くようになったのではないかと、当時のマスコミ報道は異様なものでした。

本格派の美しいスイングの森田理香子。34歳のいまも楽しみだ。

当時を振り返って森田は「ゴルフがうまくなりたくて、もがいていたのですが、もう頭の中がいっぱいになって、何も考えられなく、精神的におかしくなりそうだった。“もうこれ以上続けたらヤバイな”という思いでした。人の目を気にして生きてました。プライドが髙かったんです。自分が打てないのが許されなくて、なんでこんなになったんやろうって」と述懐しています。
“事実上の引退”と報じられてからは、公の場には姿を現わさなかった彼女ですが、月日が経つにつれゴルフ場の緑が恋しくなってきたという。そんなとき下部の「ステップアップツアー」での解説の依頼で19年シーズンに初めて解説の仕事を引き受けたのが転機でした。企業のプロアマなどにも招かれ、自分を応援してくれる人がまだいるんだということも知った。「すごく懐かしくて、ファンの支えというものも改めて胸に響いたという。「自分の居場所がどこなのか、それを見つけた気がした」とも。23年シーズンからは地元京都に練習拠点を置き、本格的なゴルフ活動を再開。自身のインスタグラムに練習やラウンドの模様を投稿し、テレビ中継の解説もつとめるなどの積極的な動きをスタートさせていました。23年10月には、ツアー外競技ながらダブルス戦で同年代の宮里美香とペアを組み、女子プロ(30歳以上)による試合にも出場。「緊張もしたけど楽しかった。改めてゴルフっていいなと思いました。ツアーのダイキンオーキッドは、13年に優勝したこともあるし、難しいコースですが相性も悪くない(14、15年は2位)。沖縄の雰囲気も好きなので楽しみ。いま、試合にも出てみたい気持ちが湧いています」とツアー復帰へ向けての意欲が増してきたことを吐露しています。

賞金女王が28歳でツアーから撤退。いろいろあった人生経験。苦しんだ6年間。それでも忘れられなかったゴルフ。長期休養した元女王の前例のない再挑戦。34歳は、まだ十分な若さがあります。相性抜群の沖縄で奇跡の爆発を演じられるか?生まれ変わった「ニュー理香子」に注目が集まります。

今年の「ダイキンオーキッド」には森田理香子はじめ、12月の予選会を通過したアン・シネ(韓国)が5年ぶりに日本ツアーに出場。産休中だった宮里美香も2年ぶりに復帰。米ツアーを主戦場にする西郷真央。人気の原英莉花らもエントリー。昨年の覇者、申ジエ(韓国)は同週、シンガポールでの米女子ツアー「HSBC女子世界選手権」に出場するため欠場ですが、話題豊富な開幕戦となりそうです。

(了)