★″立候補者なし〝で松井功会長再任。 新制度によるPGA役員改選で2期目松井体制固まる!

3年に1度の役員改選で2期目のPGA会長に再任された松井功会長(左から3人目)と
3年に1度の役員改選で2期目のPGA会長に再任された松井功会長(左から3人目)と3副会長(左から中山徹、山口修一、ひとりおいて前田新作各氏)

日本プロゴルフ協会(PGA)の松井功会長(67)の再任が決まりました。18日都内で開かれた定例の社員総会(元代議員総会)で3年の任期満了に伴う役員改選を行い、松井功会長の再任を承認しました。任期は来年1月1日から3年間。2期目の松井会長は、通算6年間の会長職を続けることになりました。会長が指名する副会長には中山徹(62)、山口修一(56)の両氏が新任、前田新作氏(56)が留任します。副会長は従来の4人から1人減の3人となりますが、専務理事を新たに設け、原則的には外部から招聘することになります。また青木功プロ(66)に最高顧問としての就任を交渉中です。2期目に入る松井体制はさらに強化される見通しです。

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 3年に1度のPGAの役員改選。中でも松井功会長が再選されるのか、あるいは新会長が誕生するのか、大きな興味がありました。今回は松井会長が唱え続けてきた会長選を含めた選挙制度の改革が実現し、会長選は従来の理事(19人)による互選から、代議員(理事含む)による選挙に変更されました。05年11月に行われた会長選で、某理事が暴力団関係者に″拉致〝されるなどという不祥事が起き世間に大きな衝撃を与えました。そうしたことを踏まえた松井功会長は、選挙法の改革を就任以来唱えてきて初めての新選挙制度による役員改選でした。理事だけでなくより多くの会員に会長はじめ執行部を選んでもらおうという「より開かれたPGAのための選挙制度改革」(松井功会長)でした。

 PGAは全国14地区に分けた代議員制度をとっています。その各地区で選出された代議員計120人(うち各地区で選出された理事は19人)が総会で集まり、代議員全員によって会長選挙を行います。会長は立候補制をとっており、複数の立候補者が出た場合にのみ選挙が行われます。今回の会長選では立候補者がいなかったため、その場合は「次期会長として現会長が再任されることを妨げない」との新たな選挙制度の条項により、現職の松井功氏の再任が決まりました。副会長は、会長指名が採用され、これまでの副会長、前田新作、森静雄、佐藤正一、高田善裕の4氏のうち、前田新作氏以外の3氏は辞任となり、新たに千葉選出の中山徹氏、群馬選出の山口修一氏が新副会長に指名されました。来年度から副会長は4人から3人になる代わりに、これまでなかった専務理事のポストを設け、その人については「腹案は持っていますが、来年2月までに正式決定したい。外部からの招聘になる」(松井功会長)ということです。

 再選された松井会長は「会員のために何をしていかなければならないか、JGTOとの関係をどうしていくのか、ジュニア育成、ゴルファーの育成をどうするか、いまさまざまな新しい局面に直面しています。新しいPGAの舵取りについては来年2月の総会までにしっかりしたものを作り、新執行部の方針として発表したい。男として選ばれたのだから、4800人の会員のためにもやらなければならない」と意気込みを話していました。
 いまやビッグな社団法人PGAには問題も山積していますが、その中でも松井会長が強調した『会員数の増大』についての発言は、注目すべきものでした。
 今年も54人がプロテストに合格するなど毎年50人前後のプロが誕生してきます。その結果が5000人になんなんとする会員数に膨れ上がったのですが、その内訳ではティーチングプロ(TCP会員)の方が、トーナメントプレーヤー(TP会員)を上回ってきた現状があります。
 松井会長は話しています。
 「PGAはいまや会員を増やすことが責務ではないと思うのです。門戸を開いてどんどん『プロ』の資格を与えていいものかどうか、疑問に思っています。多少なりとも門を狭くして、もっと資質の高いプロを育成してJGTO(ツアー)に送り出すとか、またその他のティーチングプロのためにハローワーク的な役目もPGAは果たさなくてはなりません。会員の職域を広げてあげることです。PGA・オブ・アメリカのような質の高いクラブプロを養成していきたいと思っています」

 

先週の鬼ノ城シニア(鬼ノ城GC)で、エージシュート優勝の青木功(左)にトロフィーを
先週の鬼ノ城シニア(鬼ノ城GC)で、エージシュート優勝の青木功(左)にトロフィーを 手渡す松井功会長(右)。青木功にはPGAの最高顧問就任を要請している。

PGAが主催しているトーナメントは日本プロ選手権だけです。その賞金額についても「メジャー大会ということでいままでは冠をつけずにやってきたが、2010年大会をメドに冠スポンサーをつける方向で検討している」と明かし、優勝賞金も4000万円程度の規模に拡大したいとの抱負も述べました。このほか管轄するPGAシニアツアーやジュニア育成にも力をいれているPGAですが、これらにつても松井会長の1期目の成果は高く評価されました。財界、政界等にも人脈の多い松井会長が1期3年で終わることなく、2期目に入ることでその手腕は大いに注目されるところとなりました。

 また、今シーズン途中、石川遼からのPGA入会申請を受けて「アマチュアでもツアー優勝者には入会の資格を与える」との特別条項を加え、実技免除で入会を承認しましたが、さらに今年シード選手となりうる選手ら7人が、12月に開催される入会セミナーを受講した上で新たにPGA会員になる見込みです。

◆新会員見込みの7人

甲斐慎太郎、藤島豊和、松村通央、貞方章男、、池田勇太、今井克宗、国吉博一(今井と国吉は03年に取得ずみ)。
◆次期3副会長

前田新作(留任)
 「この3年間、PGAツアー競技管理委員長として勉強したことを生かして、また選手とともにも盛り上げていきたいと思う」

山口修一(新任)
 「資格認証委員長の大役をおおせつかりましたが、これまでの6年間は競技担当だったので、一から勉強して会長とも相談しながらいい方向に進めていきたい」

中山徹(新任)
 「私から特にいうこともありませんが、松井会長に″来い!〝といわれたので、松井体制を援護し周りを固めて協会をクリアなものに盛り上げたと思っている」