★『過激ゴルファー』キンクミ人気上昇か!? プロ初戦は男女混合のハワイ・パールオープン

金田久美子の派手な化粧も売りもののひとつだが、キュートでいて鋭い眼光は勝負師の顔でもある。  
金田久美子の派手な化粧も売りもののひとつだが、キュートでいて鋭い眼光は勝負師の顔でもある。

 女子プロゴルフの”キンクミ”こと金田久美子(19)が、ハワイでの男女混合の地域大会、パールオープン(2月6〜8日、米ハワイ・オアフ島)に出場します。昨年夏のプロテスト不合格の悪夢を振り払い、12月のQT(ファイナルクォリファイングトーナメント)で見事トップ通過を果たしプロ宣言をしたばかりです。今季はほぼすべての試合に出場できることが決まっていますが、アマチュア時代ゴルフでは勝負強いプレーで数々の戦績を残しながら”悪役ぶり”もまた彼女の一面でした。大物の片りんをみせるキンクミのプロ第1戦は、男子プロに混じっての試合とはー。

◇       ◇

 今年31回目を迎えるハワイ・パールオープンは、毎年2月に真珠湾を見下ろすパールカントリークラブで開かれる有名な大会です。ツアー競技ではありませんが、男子に混じって女子も参加OKという開かれたトーナメントです。かっては地元ハワイ出身のミシェル・ウィーや日本からも横峯さくらら女子が出場。05年、ルーキーだった横峯さくらは17位タイに入る健闘をみせました。昨年は石川遼がプロになって第1戦ということでも話題になりました。開幕の遅い日本の選手にとってパールオープンは、シーズンを前にしての練習も兼ねた絶好の腕試しの場でもあるのです。賞金総額は今年も81,160ドル(約750万円)で優勝賞金は12,000ドル(約110万円)と高くはありませんが、各選手、今年の活躍を占う意味でも格好の試合です。

 

 今年も日本から数多くの男子プロが出場しますが、その中に混じって金田久美子がプロとしてのデビュー戦をここで飾ります。昨年7月、1打足りずにまさかのプロテスト不合格となって涙にくれた金田ですが、12月のQTではそのうっぷんを晴らすように見事にトップ通過したのですから、やはりキンクミの勝負根性は相当なものです。「ゴルフをやってきて初めて味わった挫折感でした」というプロテスト落選で「いままで自分がどれほど甘かったかが分かりました」とも述懐していました。このオフは毎日300球の打ち込みと週3回のラウンド練習。3キロのバーベルを使い筋肉トレーニングも忘れず、パターの練習は2時間はするようになったそうです。年が明けてからはハワイでの合宿を続けていますが、プロ初戦の腕試しは男子のパールオープンというのですから、いかにもキンクミらしいトライです。

 

細い体をひねり回し、フルショットするキンクミのドライバーは独特。
細い体をひねり回し、フルショットするキンクミのドライバーは独特。

 愛知県生まれ。貿易業を営む父・弘吉さんの手ほどきを受けクラブを握ったのは3歳のころ。以来弘吉さんの英才教育を受け、天才少女と騒がれるようになるのです。8歳で世界ジュニア10歳以下の部で優勝。以後年齢別で計5度この大会で優勝しています。日本の女子プロツアーには小6で史上最年少で出場。04年にはJGAの女子ナショナルチーム(育成部員)のメンバーにもなっています。ゴルフでは数々の戦績をアマチュア時代から築いてきた金田ですが、数々の”武勇伝”もまた残しています。

 

 03年6月のリゾートトラストでは初日、1オーバーで11位タイで好スタートを切りながら、歌手で父の古い友人でもある錦野旦(あきら)がラウンド中、ロープ際について応援。いくつかのアドバイスを金田に送ったことがわかり、2打罰を加えなければならないのにそれがなされていなかったために『失格』の烙印をおされました。

 05年9月の日本女子オープン(戸塚CC)では2日目に「9番グリーンに続いて17番グリーンでも拾い上げたボールを元の位置にリプレースしないでマークした位置よりもボールを前に置いてプレーした」とのクレームが同組の木村敏美からあり、17番については2打罰となった。こんな”事件”にもかかわらず金田はこの大会、4日間プレーして17位。ローアマに輝いたのはいい度胸です。

 

 ゴルフ場の外でもキンクミの行状はなにかと問題視されました。福岡・沖学園高に在籍した高1の夏には、友人と開設したホームページに飲酒、家出、SEXの話などを平然と書き込んでいたのです。それが発覚して沖学園は自主退学。地元愛知に帰ってクラーク記念国際高に転入、ここを08年春、卒業しました。当時は茶髪はもちろん、派手な化粧、鼻やヘソにもピアスをしてローライズのパンツ。”ヘソ出しフィニッシュ”はカメラマンの絶好のターゲットにされました。

 

派手ななウエアをまとって歩くキュートな『キンクミ』は、ギャラリー
派手ななウエアをまとって歩くキュートな『キンクミ』は、ギャラリー人気の的となりそう。

 こんな破天荒のキンクミは、まさにゴルフ界の”悪役”ともいわれたものです。それでも悪びれずにプレーを続けるゴルフは強いのです。プロに混じって何度も上位にきた実績があります。細い体をひねるようにして打つショットは独特ですが、プレースタイルは思い切りがいいし、飛距離もそこそこに出ます。プロにとっては欠かせない”度胸”は折り紙つきですから、まさにプロ向きの異色ルーキーといっていいでしょう。

 

 このほど、長谷川京子や新垣結衣らが所属する芸能事務所『レプロエンタテインメイト』と所属契約と専属マネジメント契約を結びました。ドライバーなどの用具契約もこれまでのスリクソンに数社が殴りこみをかけているという情報もあります。アマチュアとして長年話題をふりまいてきたキンクミが、いよいよプロとしての登場です。額面通りの実力が伴えば、アイドル系とはまた違った『過激なゴルファー』としての人気上昇は間違いないでしょう。