男子ツアー、青木功会長3選決定!シンパの3理事おろしも不発。選手サイドの「嘆願書」も消える!?

臨時理事会を終え、続投が決まった青木功会長(左)は、選手会長の時松隆光プロと協力要請?確認の握手(東京・ANAインターコンチネンタル東京)

青木功会長(77)の続投が決まりました。男子ゴルフツアーを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は3月25日、東京都内のホテルで開かれた社員総会と臨時理事会で役員の改選を行い、2年の任期満了を迎えた青木功会長の3選を決めました。選手の一部が、青木功シンパの理事3人を不信任として退任を求める″嘆願書〝を事前に作成。総会に諮るのではとみられていましたが、その種の文書の提出や理事解任を求める発言等もなく、18人の理事も大半が再任される″静かな〝総会に終わりました。ただ205人のツアーメンバーのうち総会に出席したのは僅か6人。大半が委任状による採決だったのは、後味の悪さを残しました。

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社員総会・臨時理事会後、コロナウイルス防護のマスク姿で報道陣の質問に応える野村修也理事(弁護士=右)、時松隆光選手会長(中)、佐藤信人理事(プロ=左)。

低迷を続ける男子ツアーを巡り「ツアー機構の運営が機能していない。3理事を解任して欲しい」と一部選手が青木功シンパのU、UJ、M3理事の退任を要求した「嘆願書」が焦点でした。情報によると「嘆願書」には41選手がサインしたとされます。ところが、午後2時から始まった総会では「嘆願書」は提出されず、理事解任を求める発言なども一切なし。総会は「わずか40分ほどで終わった」(関係者)とか。理事の1人である弁護士の野村修也氏によれば「嘆願書の存在もはっきりしません。それに関するものは議題にものぼらなかったし、理事解任などの議論もなかった。会議は(青木会長サイドが作成した)原案通りに進み、問題は一つもなく過半数に達してスムーズに終わりました」という。午後5時過ぎまでかかったあとの時間(臨時理事会)は「選手会と機構が一致団結していこうということで、その確認をいろいろ話し合っただけです」(野村理事)と強調しました。

JGTOの副会長に再任された石川遼。(ANAインターコンチネンタル東京)

問題の3理事はじめ18人の理事は、選手理事等に一部入れ替えがあっただけで大半が留任。選出された理事18人による臨時理事会での互選で青木功会長の続投が決定。石川遼の副会長も留任。上田昌孝氏の専務理事兼事務局長が決定しました。任期はいずれも2年で2022年の社員総会までの新体制となります。約3時間半にも及んだ会合のあと、青木功会長は「所用があるから」と記者会見も設定せず、歩きながら「選手のみなさんに選んでいただいたので、あと2年、一生懸命頑張ります」との一言残しただけで引き揚げました。

複数の関係者によれば、選手側が作った「嘆願書」を知ったJGTO側は青木会長名で、主だったツアープロに「青木続投と現体制支持を懇請する文書」を事前に送ったとされます。新型コロナウイルス拡大の影響もあって大半のツアープロが委任状処理に回りましたが、その裏側ではし烈な″水面下の工作〝があったと思われます。噂の嘆願書については、選手会長の時松隆光プロも「サインしました」と認めながら、総会で提出されなかった現実が不思議といえば不思議。青木体制サイドの勝利?ともいえる今年の社員総会でした。

3時間半にも及んだ青木功会長3選の社員総会・理事会を待つ報道陣。(ANAインターコンチ東京)

しかし、続投の決まった青木功会長の任務はズシリと重いものがあります。JGTOは、新体制の任期中の目標・方向性について「継続性のあるトーナメント数を増やし、男子ツアーを活性化させる」との一大目標を掲げています。青木功体制になった2016年から4年間、ツアー試合数は増えるどころか減少傾向にあります。昨季、日米両ツアー共催で初めて日本で行われた米ツアー「ZOZO選手権」は、今季日本ツアーの日程から外されました(試合は行う)。なぜなのでしょう。諸問題をかかえる青木新執行部のお手並みが注目されます。

(了)