「皇潤」、シニアツアーで大盤ぶるまい! 冠と自社大会と2度登場。国内シニアツアーは1試合減の9試合に決まる。

昨年8月、猛暑の中で行われた第一回「皇潤クラシック」(福岡センチュリーGC)
昨年8月、猛暑の中で行われた第一回「皇潤クラシック」(福岡センチュリーGC)

 男子ツアー、女子ツアーに続いて今季の国内シニアツアーの日程が発表されました。昨年の10試合から1試合減の9試合。6月上旬の開幕戦だったスターツシニアが”隔年開催”で今年はないため、開幕は7月6日からのトータルエネルギーカップPGAフィランスロピーシニアとなり、ちょっと淋しいシーズンインです。その中で注目は、飲むヒアルロン酸でおなじみの「皇潤」(㈱エバーライフ社)が、日本プロシニアの冠スポンサーとなる上、自らの「皇潤クラシックシニアオープン」も続けて開催するなど、目だってゴルフ界に進出してきたことです。賞金総額は5億2000万円で昨年より3400万円の減となりました。
 
     ◇◆       ◇◆
 

2011年のシニア日程を発表するPGA松井功会長(左)と前田新作副会長(右)=17日、東京・浜松町。
2011年のシニア日程を発表するPGA松井功会長(左)と前田新作副会長(右)=17日、東京・浜松町。

 男子ツアー、女子ツアーの日程発表が遅れたようにシニアツアーも例年より約1ヵ月遅れの2月17日に日本ゴルフ協会(PGA=松井功会長)から発表されました。レギュラーツアーを管轄するのは日本ゴルフツアー機構(JGTO)ですが、シニアツアーを束ねているのはPGAの方です。ジリ貧だったシニアツアーの復活を目指して、PGAは松井功会長が先頭に立って”営業活動”を続け、昨年は15年ぶりに念願の2ケタ10試合に戻したのですが、それも1年だけでまたまたひとケタに逆戻りです。
 
 「われわれ年間を通してシニアトーナメントを1試合でも増やすべく営業を続けていますが、経済不況から脱しきれない現状ではスポンサーを新たに見つけるのはなかなか難しい。今年はトータルエネルギー(本社・立川市)に、メジャーのPGAフィランスロピーシニアの冠になっていただきました。あと2、3の企業からお話はいただいています。3月いっぱいはエントリーできますので、この後も交渉は続け、シーズンインまでにはいくつか試合が増えるかもしれません」(松井功会長)
 
 PGAフィランスロピーシニアは、実は昨年も思うように冠スポンサーがとれず、結局冠なしのPGA”手打ち”の大会で開催しました。2年続きで冠なしではPGAの大きな負担になるところでした。トータルエネルギー社は東京・立川にあるプロパンガス等を扱う会社で、09年シニア入りした白浜育男プロの所属会社です。LPガスの供給はじめメンテナンス、セキュリティーサービス、生活関連機器の販売などのほか、加圧トレーニング(血流量を制限して行うトレーニング)のスタジオやゴルフショップも持ち、白浜育男プロらのレッスンも受けられる施設もあります。ゴルフには強い関心を寄せる会社で、新しいスポンサーとして登場してきました。
 
 この試合が国内シニアツアーの開幕戦になることを前提にして、トータルエネルギーは冠になりました。そのトーナメント(埼玉・森林公園GC)は7月6日(水)~8日(金)の3日間、平日開催となります。それもあってこの試合は「入場無料」でファンにサービスするとPGAから発表されました。この大会、昨年は中伊豆グリーンCで行われ、真板潔がシニア初優勝しましたが、今年は賞金総額を1000万円増やし、3000万円にグレードアップしました。
 

昨年の皇潤クラシックでシニア初優勝した湯原信光(2010.8 福岡センチュリーGC)
昨年の皇潤クラシックでシニア初優勝した湯原信光(2010.8 福岡センチュリーGC)

 注目の「皇潤」は、今年50回目の記念大会となる日本プロゴルフシニア選手権の冠になり、”皇潤カップ”のサブタイトルが大会名の頭につきます。コースはジャック・二クラウス設計のジャパンメモリアルゴルフクラブ(兵庫)。賞金総額は昨年と同額の5000万円で変わりません。昨年優勝はシニア初優勝の加瀬秀樹でした。「皇潤」は冠として日本プロシニアに参入してきたのとは別に、自社名をつけた皇潤クラシックシニアオープンを昨年に続きスポンサードします。昨年は盛夏の8月に福岡センチュリーGCで開催し、猛暑で選手が音を上げる事態がありましたが、今年の日程・開催コースは未定です。開幕戦でも最終戦でもないその間での開催となる予定で、近々発表されます。
 
 再度にわたってシニアツアーに登場してくる「皇潤」(㈱エバーライフ社・鍋島邦洋社長=福岡)は、いま全国区で販売を伸ばしている栄養補助食品。皇潤は”飲むヒアルロンサン”とうたって1000万箱突破を誇っています。ひざ・腰など関節痛などに効果を示すといわれていてスポーツ選手はじめ、高齢者らに人気です。CM活動も盛んで西田敏行、八千草薫、三国連太郎らがしばしば登場しますが、プロゴルファーでは横田真一、競輪選手の鈴木誠らも皇潤との契約選手です。「皇潤」のほか、「おいしい青汁」、「エバー米(ライス)」らでも名を打っていて、いま勢いのある企業です。賞金総額はすでに昨年より1000万円アップを決め、総額3000万円が発表されていて、シニアツアーにはちょっとした”皇潤ブーム”です。
 
 JGA主催の日本シニアオープンゴルフ選手権は広島カンツリー倶楽部八本松コース。富士フイルムシニアは今年第4回大会で、開催コースが千葉・平川CCから同じ千葉のザ・カントリークラブジャパンに移ります。最終戦は昨年同様、欧州シニアツアーとコラボするHANDA CUPシニアマスターズ(埼玉・むらさきGC)で締めくくります。この試合、今年も総額1億2000万円のビッグ大会が予定されていますから、賞金王はやはり最終戦まで持ち込まれる可能性大です。
 
 昨季のシニアツアーは10試合中、6試合でシニア初優勝者が出ました。全盛期の短いシニアエイジで、いま勢力分布図が急激に変わってきているように思えます。今年のシニアニューフェースは金子柱憲、井戸木鴻樹、横山明仁らと、大量に入ってきた昨年にくらべるとかなり寂しい顔ぶれです。しかし試合数こそ少ないですが、今年も激しい賞金王争いが繰り広げられるのは必至のようです。
 
        
 〔2011年シニアツアー日程〕
 

トータルエネルギーカップPGAフィランスロピーシニア (埼玉・森林公園GC)=7月6日(水)~8日(金)=
 
ファンケルクラシック  (静岡・裾野CC)=8月19日(金)~21日(日)=
 
コマツオープン (石川・小松CC)=9月8日(木)~10日(土)=
 
榊原温泉ゴルフ倶楽部シニア(三重・榊原GC)=9月16日(金)~17日(土)=
 
第50回皇潤カップ日本プロゴルフシニア選手権 (兵庫・ジャパンメモリアルGC)=10月6日(木)~9日(日)=
 
第21回日本シニアオープンゴルフ選手権 (広島・広島CC・八本松)=10月27日(木)~30日(日)=
 
富士フィルムシニア (千葉・ザ・カントリークラブジャパン)=11月3日(木)~5(土)=
 
HANDA CUP シニアマスターズ(埼玉・おおむらさきGC)=11月10日(木)~13日(日)=
 
皇潤クラシックシニアオープン  (会場、日程・未定)